フレテフレテ enter into
「なぁ、沙絵。お前、最近変だよ?」
斗真にそう言われたのは結婚して2年たったある夏の昼下りだった。
「沙絵さ、俺と結婚する前から色々頑張ってくれてたけど、結婚してからも…なんて言うか…疲れない??」
斗真が最初、何が言いたいのか分からなかった。でもふと私の周りを見るとメイク雑誌に、沢山のアパレルショップの服の山、沢山のネイル用品がテーブルに並べられている。
「毎日俺の為に頑張ってオシャレしてくれるのは嬉しいけどさ、俺は素の沙絵も好きだよ。」
最初は確か、そんな言い方だった。
だけど言われた私はいまいちピンとこなくて。
むしろなんでそんなこと言うの?アナタの為にやっているのに?
と思っていた。