あなたの願い、叶えましょう。 ー ただしその代償は・・・ ー
「はぁ!?また咲也!?」
次の日の放課後、教室の中が由美の声で響き渡る。
その声を聞いて、教室に残っている人たちの空気が一瞬にして凍りついた。
「ご、ごめん……咲也がどうしてもって……。」
「約束したじゃん!」
「本当ごめん……絶対、絶対今度時間作るからっ……!」
「なにそれ。私がわがまま言ってるって感じじゃない?」
「そ、そんなことないよ!」
「咲也との約束は守って、親友の私との約束は守ってくれないんだ。」
「…………ごめ……」
「もういい。夏美、私はもうあんたとは関わらない。」
……由美!?
「な、なんでっ……」
「なんでって、あんた最近ずっと咲也咲也ばっかじゃん。今までは、やっと付き合えたんだし、しばらくは優先順位変わっても我慢しようと思ってたけど、もう呆れた。約束すら守れないほど彼氏一番なんだったら、一生それでいれば!夏美との約束なんて、もう信用できない!……親友だと、思ってたのに……!!」
「由美っ……!!」
由美は鞄を持って勢いよく教室から出ていってしまった。
……怒らせてしまった……。
『親友だと思ってたのに』
……由美……。
あたしのせいで、由美を裏切ってしまった……。
親友を……裏切ってしまった。
どうしよう……あたし……なんでこんなこと……!