幼な妻だって一生懸命なんです!
要さんからLINEの返事が来る前に、帰宅したことを告げるメッセージを送った。
慌てて帰って来たものの、あの光景が頭から離れず何もする気が起きない。
ソファに座ってるばかりで時間だけが過ぎたんだろう。
ガチャ!
玄関のロックが外された音で我に返る。
「美波?!」
真っ暗なリビングの灯りが付けられ、私の顔を見た要さんの顔が安堵しているのがわかる。
「どうしたんだ?具合でも悪いのか?」
ジャケットを脱ぎながら、要さんが私の横に座った。
「要さん!」
衝動的だった。何も考えられなかった。
私は要さんの胸に体ごと飛び込む。
バランスを崩しソファに倒れ込んだ要さんの体を押さえつけ、上から見下ろすような形になった。
視線を絡ませた瞬間、要さんの形の良い唇に強く自分のそれを押し付ける。
「んぐ」
不意の行動に慌てる要さんが、私の両肩を掴んで距離を置こうとする。
唇が少し離れた時、驚きながら私の名前を呼んだ。
「美波!?」
それでも構わず、もう一度、唇を強く押し付ける。
歯列をこじ開け、舌を絡ませる。
要さんのネクタイを緩め、シャツのボタンを外そうとしていたけどなかなかうまくいかない。
まごまごしてたら、案の定、要さんにひっくり返された。
「どうしたんだ、美波!」
上から見下ろされる形になり、手を頭の上で束ねられる。
身動きができない私を困った表情で見下ろす要さんに叫ぶように訴えた。
「要さん、抱いて下さい!」