花のように。
車の運転席の窓から恭介が顔を出した。
私はその車にかけよった。
「久しぶり!助手席いいかな?」
「どうぞ!」
「よろしくお願いします」
私は助手席に乗った。
「じゃぁとりあえず走りますか!」
「うん!」
恭介は車を動かした。
お互いに恥ずかしくてまともに
顔をなかなか見れていない。
ちらっと横顔をみた。
やっぱり高校のときとはちがって
大人っぽくなっていた。
「皐月たちとは遊んだりするの?」
恭介が聞いてきた。
皐月の名前が出て少し心の中がざわついた。
「皐月は遠方だからなかなか遊べなくて、、
こないだ成人式の時に久しぶりに会ったよ!
唯は、、唯はわかるよね?」
「高校の時によく
皐月に聞いてたから知ってるよ」
「私も高校の時に皐月に恭介のこときいてて、
SNSでみかけたときはなつかしくて
話したことなかったけどつい絡んじゃった。」
ほんとうは気になってたからだけど。。
「唯はこっちで働いてるから
よく遊ぶんだよ~
恭介の友達は地元に残ってる人多いの?」
「うーん、、半分くらいかなー。
辞めて帰ってきたやつも何人かいるよ。」
「そうなんだ~!」
「あれー?この辺に確か、、」
運転しながら恭介がキョロキョロした。
「???」
「この辺に小道があって、
海岸につながってるはずなんだけど、、」
「そうなの?この辺はきたことないなー」
「あ!この道っぽい!」
暗くて通る道の周りはよくみえなかったけど、
茂みを抜けると、海岸がみえた。
車をとめると、
「降りてみる?」
「うん!」
浜辺を2人で少し歩いた。
海岸沿いに街頭がちらほらついていたが
暗くて、恭介の顔がぼんやり見えるほどだった。
あまり顔が見えないからか、
緊張せずに話すことが出来た。
周りは誰もいなくて、
2人だけの世界のような気分だった。
海風で髪がなびく。
「ここにきたことあるの?」
「正木たちと1回バイクできたことあるんだ。」
彼女とじゃなくてほっとした。
そして嬉しかった。
2人でぼんやりながめている
夜の海はこんなに綺麗なんだと初めて知った。
この時がきっかけで
私はよく海に来るようになった気がする。
この時を思い出したくて。