クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
「宮下。俺に責任をとらせてくれるか?」
突然の問いかけに、責任ってなんだろうと戸惑いながらもうなずくと、南部長がその場に正座し頭を下げる。
「遙さんと、結婚させてください」
畳に手をつき凛とした声で言った部長に、また部屋の中が凍り付いた。
父が持っていた日本刀を落とし、カラーンという乾いた音だけがその場に響く。
「け、結婚……?」
結婚って、私と部長が……!?
父も兄も私も、突然の展開に思考が追い付かず呆然とする。
しばらくして兄が震える声で問いかけてきた。
「は、遙……、結婚なんてしないよな? お前は大きくなったらお兄ちゃんと結婚するって約束したもんな?」
真剣に馬鹿げた話をする兄に、冷え冷えとした視線を向ける。