極上旦那様ととろ甘契約結婚
「成美はまだ高校生だったろ?なのに一人で、涙を溢さないように煙を見続けて、ずっと耐えてた。素直に凄いと思ったし、もっと知りたいと思った」

「だから煙見上げてあんな風に話しかけたんですか?

「そう。まぁ共通項があって変なこと親近感ってか仲間意識みたいのが湧いたのもあって、さ。でも流石に失礼だったよ思うよ。『あれお母さんの煙?』なんて、デリカシーがなさ過ぎて、あの時の自分をぶん殴りたくなる」

ふふっと笑いかけた修吾さんが、でも訝し気に私に視線を向ける。

「あんな?……まさか思い出したのか?」

「今朝、夢に見たんです」

「じゃあ……」

向ける視線を期待に満ちたものに変えた修吾さんには申し訳ないが、それには応えられない。私の眉尻を下がり、声は小さくなった。

「新しく思い出したのは、話しかけてられた辺りの会話だけなんです。相変わらず相手の顔や容姿は全然……」

< 104 / 133 >

この作品をシェア

pagetop