夫婦はじめ~契約結婚ですが、冷徹社長に溺愛されました~
***
そして――ついにその日がやってきた。
「晴れてよかったですね」
「そうだな」
ふたりで窓から空を眺める。
昨日の予報ではくもりとのことだったけれど、無事に晴れてくれたようだった。
今日、二度目の式に参列してくれる人はかなり限られている。
私の両親、春臣さんのご両親だけ。
さすがにこの場に春臣さんの祖父である倉内時治さんは来られなかった。本人は行きたいとごねにごねたものの、春臣さん以上に忙しい人である。たった一分で億単位のお金を動かすこともできるような人が、そう簡単にプライベートを優先させられるはずなどなかった。
(写真は絶対に送り忘れないようにしなきゃ)
ちなみに、春臣さんは進さんを呼ぼうとしていた。
進さんは春臣さんにとって長い付き合いの幼馴染であり、今も同じ会社でともに切り盛りする戦友でもある。そうしたくなる気持ちは当然理解できたし、私としてもぜひ出席してほしかった。
ただ、なぜかそのタイミングでどさっと会社に大きな仕事の話が来てしまったのだ。ハルくんに心置きなく結婚式を楽しませる――と言い切った進さんはその対応にあたることとなり、時間が取れなくなってしまった。
――この連絡が来たとき、春臣さんが「祖父さんはこういうところが大人げない」と呟いたのを知っている。私が思うに、自分だけ出られないのを嫌がって進さんを邪魔しにかかったのだろう。さすがと言うべきか、改めて敵に回してはならないと実感した。
そして――ついにその日がやってきた。
「晴れてよかったですね」
「そうだな」
ふたりで窓から空を眺める。
昨日の予報ではくもりとのことだったけれど、無事に晴れてくれたようだった。
今日、二度目の式に参列してくれる人はかなり限られている。
私の両親、春臣さんのご両親だけ。
さすがにこの場に春臣さんの祖父である倉内時治さんは来られなかった。本人は行きたいとごねにごねたものの、春臣さん以上に忙しい人である。たった一分で億単位のお金を動かすこともできるような人が、そう簡単にプライベートを優先させられるはずなどなかった。
(写真は絶対に送り忘れないようにしなきゃ)
ちなみに、春臣さんは進さんを呼ぼうとしていた。
進さんは春臣さんにとって長い付き合いの幼馴染であり、今も同じ会社でともに切り盛りする戦友でもある。そうしたくなる気持ちは当然理解できたし、私としてもぜひ出席してほしかった。
ただ、なぜかそのタイミングでどさっと会社に大きな仕事の話が来てしまったのだ。ハルくんに心置きなく結婚式を楽しませる――と言い切った進さんはその対応にあたることとなり、時間が取れなくなってしまった。
――この連絡が来たとき、春臣さんが「祖父さんはこういうところが大人げない」と呟いたのを知っている。私が思うに、自分だけ出られないのを嫌がって進さんを邪魔しにかかったのだろう。さすがと言うべきか、改めて敵に回してはならないと実感した。