幸せの扉を探して

桜は、五日目に退院できた。
帰りに携帯を新しくして
直ぐに架瑠に連絡をとった。

久しぶりに桜の声が
聞けて架瑠は、
本当にホッとしていた。
「ごめんね。少し風邪を
引いてしまって
携帯の買い換えに行けなかったの。」
と、これは永莉と話して決めた言葉。

まぁ、事前に永莉が
メールで架瑠に伝えてくれては
いたが・・・

「大丈夫か?体の方は。
声を聞けないから
寂しいのはあったけど
桜の体の方が大事だから。
無理だけはするなよ。
ごめんな、きついとき
そばにいれなくて。」
と、言う架瑠に
胸がいっぱいになる桜だった。

だから、言ってはいけない
いつもなら、決して言わないのに
「‥‥‥‥架瑠・・・あい・・たい・・」
「・・・・・・・・・・」
架瑠が、ハッとしたのがわかり
「あっ、ごめん。大丈夫だよ
心配ない。」
「バカっ、俺、嬉しいんだ。
桜は、我儘だと思っているのか
いつも我慢しているから。
俺も、会いたい。
すごく、会いたい。
待ってろ、早く終わらせるから。」
と、そんな簡単な仕事では
ないのはわかっているが
架瑠にそう言われて
嬉しかった。
「うん、ありがとう。
架瑠、好き。」
「俺は、愛してる。」
架瑠は、本当に心配だった。

桜から気持ちを聞けるのは
嬉しいが、日頃、自分から
口にしない桜だ。
何かあったのではないかと
思った。

架瑠が永莉に
メールで確認を
とった事は
・・・・・桜には内密。
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