幸せの扉を探して

解き明かされる**


「架瑠。
お前、桜ちゃんと離婚して幸せか?」

「・・・・・・・」

新に、そう訊かれ
返事ができない・・・架瑠・・

下を向き膝に結俐を抱いて
拳を握り絞める

「お前が・・架瑠が・・愛せるのは
桜ちゃんだけだろ?
他の女に、お前が目を向ける事なんか
出来ないし、ないんだよ。」
と、言う新の言葉に
顔をあげ新を見る架瑠。

「お前、今自分がどんな顔をして
いるか、わかるか?」
と、言われて
はっと、桜を見ると
桜は、瞳に涙を溜めながら
俺の頬に手を伸ばし
そっと触れてくれた。

その瞬間・・に・・
架瑠の目から涙が溢れた。

「架瑠君、君がなぜ
こんなにも大切に大事にして
愛している桜ちゃんを
手離さなくてはならなかったのか
悪いけど、調べさせてもらったよ。」
と、言われて
架瑠は、颯天さんに目を向けた
颯天さんは黙ったまま頷いた。

「颯天・・先生・・?」
と、意味がわからずに
颯天を見る・・桜・・

「ありがとう、架瑠。
だがな、俺はお前のなんなの?
話して欲しかった・・俺には。」
と、新は言うと
二枚の紙を机の上に置いた。

その紙を
手に取る・・架瑠・・
桜も一緒に見ると・・

一枚は、三菱銀行への完済書類
もう一枚は、新な銀行との
借り換え融資が記載されていた。
もちろん、社長印は、
新の親父さんだ。

「親父が、このせいであっても
なくても、架瑠の足枷になるなら
問題ないようにしたい。とさ。
それから、
なぜ、俺に甘えて来なかったかって
言っとけって。」
架瑠の瞳から、涙がポロポロと
その紙の上に落ちていく。

「えっ、何?何がおきてるの?」
と、永莉ちゃん。
桜もわからずに
颯天と新⋅⋅⋅⋅⋅⋅架瑠⋅⋅⋅⋅⋅の顔を交互に見る。
< 74 / 104 >

この作品をシェア

pagetop