擬似結婚ー極上御曹司の一途な求愛ー

【ピンクの薔薇のはなことば 恋の誓い 雄大から亜里沙へ 九十九本の花をささげる──ずっと一緒に、永遠の愛を】

 またもや亜里沙の目に涙が滲む。

「気に入ってくれたかな?」

「はい。とても」

「薔薇は贈る本数で気持ちを伝えることができるって聞いたんだ。九十九本は俺の思いそのものなんだ」

 喜びを表す言葉が見つからない。どうすれば彼に亜里沙の気持ちが伝わるのか。

 少し考えた後に花束をダイニングの椅子に丁寧に乗せて、彼に向き直った。

 亜里沙を見つめて少しはにかんでいるような表情は、彼もこんなふうに花束を贈るのは初めてかもしれないと思わせる。

 ──私が、最初の人?

「雄大さん、ありがとう」

 彼の背中に腕を回して、ぎゅうっと抱きしめた。亜里沙の腕の力では思いの半分ほどにもならないけれど、精いっぱいに伝えたい。

「私も……雄大さんが好き」

 彼の腕も亜里沙の華奢な体を包み込むように、そっと抱きしめかえしてくれる。胸に幸せな気持ちが広がって、どうしようもなく彼が愛くて、また目に涙が滲んだ。

「二度目のプロポーズだよ……俺と、永遠の愛を誓ってくれる?」

 瞬間頷きそうになって、とどめた。まだ決心はついていない。

 彼を好きだけれど、YOTUBAグループの御曹司の妻になるには、愛情だけでは乗り越えられない厚い壁がある。
< 103 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop