擬似結婚ー極上御曹司の一途な求愛ー
「それだけじゃなくて、期待もあるみたい」
「そうか、期待か……ごめん、亜里沙……今後そういうことがあれば、断らずに俺のところまで話を持ってきてくれ。俺が全てを被るよ」
〝全てを被る〟というのは、彼が批判の矢面に立つということだ。
四つ葉食品の経営を立て直した彼の評価は『冷徹社長』。物事を見極めて、無駄は切り捨てて、いいものは掬い、全体を引き上げる。それをYOTUBAでもやろうとしているのだ。
「俺に任せてくれればいい。必ず亜里沙を守るよ」
その言葉を聞いて、亜里沙は大きな安心感に包まれていた。
これから先頼まれごとがあっても、頼れる彼が後ろにいると思えば、ちゃんときっぱり断ることができる。
「でも一度お話を通してしまうと、きりがないかもしれない。そうすると雄大さんの負担になっちゃう。だから全部お断りするわ」
「いや、一度だけ俺からビシッと却下すれば、誰も亜里沙に言ってこなくなるよ」
掃除会社と契約をしたのは、業務への支障と掃除を外注することの利点を比較して、いいと判断したから決めたと話してくれる。
社の利益になること以外、彼がGOサインを出すことはないのだ。
「でも、そうだなあ。亜里沙を通して願い出るような気骨のない案件には、目を通す気になれないな。多分、見ずに却下だ。どうしても案を通したいならば、俺が納得できる理由を持って直談判に来い! と言いたい」