擬似結婚ー極上御曹司の一途な求愛ー
なんだかこの方たちも、彼と同じく有無を言わせない雰囲気を持っているのだ。
亜里沙がセレブに弱いだけかもしれないが。
「コウサカさまはご自分の御着替えを後回しにされて、一着一着を比べてじっくり吟味してくださいました。とても素敵なお方ですわね」
「え、自分の着替えを後回しに?」
「そうでございます。あなたさまを胸に思い浮かべながらお選びくださいました。ですから、是非とも、ワンピースをお召しになったお美しい姿を、コウサカさまにお見せくださいませ。楽しみにお待ちいただいていますわ」
「お美しい姿……」
亜里沙の頬がカーッと熱くなる。
生まれてより今までの人生で、そんなふうに言われたことがない。
しかも彼にワンピースを着た姿を見せるなんて、それを待ってるなんて、そんなの恥ずかしすぎる。
「さあ、お選びください。こちらなんていかがです? 淡いピンク色と裾に施したレースが、あなたさまのフェミニンなお顔立ちをより一層際立出せますよ」
「フェミニン……?」
亜里沙には無縁な言葉をさらりと言われて、セレブの世界を垣間見た気がした。
──でも、どうしよう。困るよ。
スタッフは戸惑っている亜里沙にワンピースをあてがった。
「まあ、さすがコウサカさまのお見立てですわ。よくお似合いになられますよ!」