擬似結婚ー極上御曹司の一途な求愛ー

「大変お美しいですわ~。あっ、こちらもいかがでしょう? この花柄があなたさまの柔らかい雰囲気にぴったり合います」

 スタッフたちは次々と亜里沙の体にワンピースをあてがって笑顔を向けてくる。

 ──まるで着せ替え人形みたい……。

「どうぞ、ご試着なさいませ」

 ふたり掛かりで押しの強さを見せられ、すっかり敗北した亜里沙は与えられるままに試着を繰り返した。

「さあ、どちらになさいますか?」

 ほぼ全部の試着を終え、スタッフオススメの数着に絞られている。

 せめて一番安価なものに決めようとしても、値札のタグが外されているために価格が分からない。

「あのお値段って……?」

「あなたさまが、お気になさることではございませんわ」

「ご心配なきようにと、コウサカさまより言付かっております」

 一向に崩れない鉄壁の笑顔で選ぶように迫られ、とうとう亜里沙はうなずいてしまった。

 そしておずおずと最初にあてがわれた淡いピンクのワンピースを指差すと、スタッフたちの笑顔がいっそう輝いた気がした。

 ──ひょっとして、これが一番お高いの? そういえば、一番布の肌触りがよかったような気が……。

「まあ! やはりこちらをお選びになられると思っていましたわ!」

「さあ、さあ、お着換えいたしましょう。メイクもしますから、ドレッサーにお座りくださいませ」

「お早くいたしましょう。きっと、お待ちかねでございます」

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