擬似結婚ー極上御曹司の一途な求愛ー
「それは連城さんの勘違いです。私は連城さんとお付き合いする気持ちはチリほどもありません。何度もそう申し上げた筈です」
ハキハキと紡がれる言葉には冷気を感じさせるほどに温度がなく、連城の艶やかだった肌はみるみるうちに青ざめていく。
亜里沙はそんな二人のやり取りを石のように硬くなって聞いていた。
「なっ、なんてことをっ、この私を振るなんて、とても信じられませんわ! そう、雄大さんは騙されているんですの。本当に愛しているのはこの私でしょう? かわいそうに……だから、目を覚まさせてあげますわ」
連城はバッグの中から封筒を取り出して、彼に差し出した。
「毎晩眺めてくだされば、それでいいのです。そのうちに、胸の奥底に隠れている私への愛情が膨れ上がってきますわ」
彼は受け取った封筒の中身を出して、表情一つ変えずに亜里沙に見せた。
──え……ヌード写真!!
亜里沙も見惚れるような、見事なプロポーションの体だけれど、彼は興味なしと言ったようにため息を吐き、写真を封筒に戻した。
「連城さんがこのようにストーカーまがいのことをなさるので、大変迷惑しています。ですから、今回はこのような手段を取らせていただきました。本当は彼女には会わせたくなかったのですが」
「では、そのお方が雄大さんの恋人だという証拠はございますの!?」
今すぐにお見せ下さいませと鼻息も荒く言って、亜里沙をねめつけている。