擬似結婚ー極上御曹司の一途な求愛ー
彼との間で、ハムエッグにしょうゆをかけるかソースをかけるか、とっても細やかな言い合いをし、途中でなんとも可笑しくなってお互いに笑いあったのだった。
週が明けた月曜日。亜里沙は恵梨香から無言の圧力を受けていた。
圧力と言ってもイジワル系のものではなく、好奇心の塊の圧力だ。
今日は忙しくて席から離れられないと言っていたのにも関わらず、満面の笑顔ときらきら輝く目でしょっちゅう亜里沙の方を見る。
お昼近くにもなると、とうとう『詳細求む!』と、大きなフォントで書かれたメールを送信してきた。
──う、やっぱり知りたいよね……。
もしも彼女と逆の立場だったなら、恵梨香と同じようにじれじれしているだろう。
というわけで、恵梨香にはランチタイムで話すことにした。
ビルの外にあるカフェに行き、連城の事は省いてことの顛末を話していくと、恵梨香は頬を紅潮させてうっとりと目を細めた。
「そっか~。リゾート地での彼が、社長なんだ~。ひょっとしたらって思っていたけど。でも、社長ってクールに見えるのに、すっごい情熱的なんだね」
「うん……社長室で会ったときは、本当にびっくりしちゃった」
「いいな~。それだけ必死に探してもらえたらしあわせだよ。おめでとう」
「ありがと」
なんだか改めて言われると胸の奥がくすぐったくて、赤くなった頬を隠すように俯いて、オムライスにスプーンを入れた。