離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
「おかえりな――」
出迎えた言葉を途中で止める。千景と一緒にドアから入ってきたのが、思いも寄らない人物だったのだ。
「ほら入って」
「わ、わかったってばぁ!」
千景に引っ張られるようにして顔を出したのは、あの香織だった。ステップを踏むようにして躓きながら、香織が玄関に立つ。その顔は不満そうな色を滲ませながら、捨てられた子猫のように心細くも見えた。
どうして彼女がここに……?
わけがわからず、百々花は目をまたたかせる。
「あの、千景さん」
「彼女が、ひまわりの張本人」
「……はい?」
ひまわりの張本人って?
千景は、なにを言っているのだろうか。
「久松財閥の権力を使って都内全域の市場から卸問屋からひまわりを消したのが、香織の仕業だったんだ」
「えっ……」