離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

「きっと香織さんも反省していると思います」


こんなにも千景を怒らせるとは思わなかったのかもしれない。自分のほうを向いてほしいがために、すべては犯したこと。
千景は深く長いため息をつき、その表情を少しだけやわらげた。


「今回は百々花に免じて許してやる。でも次はないぞ」
「……はい」


その声は消え入るほどに小さかった。

ふと千景の胸もとでスマートフォンがヴヴヴと振動音を伝える。取り出した千景は〝あっ〝といった顔をした。


「流川です。……はい、ええ。……そうですね。少々お待ちください」


しばらく応対していた千景が、不意に百々花にそのスマートフォンを差し出す。
なにかと首を傾げれば、香織の父親からの電話だというではないか。


「……私に、ですか?」


百々花が驚いて自分の胸を指差すと、千景が深くうなずく。
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