離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
離婚ありきの結婚だと、たしかに千景はそう言っていたはず。
「百々花を手に入れるためとはいえ情けないな。契約結婚にすれば、百々花も決意しやすいという安直な考えだ」
「それじゃ、最初から……?」
百々花を想っていたというのか。
激しくまばたきをして千景を見る。
「あのビルでグリーンや花の手入れをしている姿を見て、いつの間にか惹かれてたよ」
「嘘みたい……」
千景ほどの男が、特別な美人でもセレブでもない百々花に惹かれるなんて、なにかの間違いではないかと思いたくなる。現実味がまるでない。
「でも勘違いするな。フェアの仕事を頼んだのは、それとはべつだ。百々花の才能に惚れ込んだ」
どちらも舞い上がるほどにうれしい。このまま天にも飛べそうな勢いだ。
「ありがとうございます」