離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

「社長の流川です」
『あぁこれはどうも初めまして。『リーチェア広告』の小川(おがわ)と申します。流川社長のお噂はかねがねお伺いしておりますよ』


フレンドリーさを狙っているのかもしれないが、お調子者的な声のトーンに逆に警戒感を抱く。


「ありがとうございます。本日はどのようなご用件でしょうか」


それとは対照的に千景は堅い口調で先を促した。


『流川社長はテレビCMや新聞広告にご興味はありませんか? シュプリームウエディングさんクラスの規模の会社ともなれば、新聞広告はもちろんタイム広告やスポット広告などで大々的に宣伝して、さらなる顧客の獲得なんてのも考えても――』
「申し訳ありませんが、マス広告を打つ予定はございません」


小川を遮り、きっぱりと返す。


『それはまたどうしてですか? ほかのブライダル企業さんではマスメディアを使った広告はあたり前の手段ですよ?』


どことなくバカにしたような言い方だ。広報部で持て余すのもわかる。
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