離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
普段から上げ足をとるのが得意な美咲は、検事のほうが性に合っているのではないかと千景は常々感じている。
「そう? あ、そうだ。千景のところにアリアシェリーさん、行かなかった?」
美咲の口から出た言葉に耳が反応する。
なぜ美咲からアリアシェリーの名前が出てくるのか。
千景が不思議がっているのを察知した美咲が、すぐに続ける。
「うちに観葉植物をお願いしているフラワーショップなんだけど、千景のところでもどうかと思って、顔を売ってきたら?って」
このビルのエントランスにある大きなフラワーアレンジメントを百々花が手入れしている姿を何度も見かけたことはあったが、美咲の事務所にも出入りしているとは知らなかった。
「いい店なのよ。スタッフの女の子も感じが良くて」
「神谷百々花さん?」
「そうそう。あ、じゃ、行ったのね。かわいい子だったでしょ」
美咲が女性を褒めるのは珍しい。普段は悪口ばかりというわけではないが、見る目が厳しいのだ。