キミに伝えたい愛がある。
ボロいアパートが見えてきて私は立ち止まった。


見てはいけないものを見てしまった。


一旦駅に引き返そうとしたけれど、相手が先に気づいた。



「ちーちゃん...」



あの頃と変わらず美しい顔立ちのめぐちゃんが私を真っ直ぐ見つめていた。



「何か用ですか?」



私は冷たく言い放ち、めぐちゃんを突き離そうとした。


しかし、彼女は怯むことなく、私を見つめたまま呟いた。



「ちーちゃんに話したいことがあるの」


「今じゃなきゃダメですか?」


「うん、今じゃなきゃダメ。手遅れになってほしくないから」



めぐちゃんはどうにも引き下がりそうがなかったから仕方なく私は言った。



「狭い部屋でも良ければどうぞ」


「ありがとう、ちーちゃん」



久しぶりに見ためぐちゃんの笑顔には影があった。



< 145 / 168 >

この作品をシェア

pagetop