キミに伝えたい愛がある。
りっくんの寄りたい所というのは、りっくんの自宅マンション近くのレンタルショップだった。



「ほんとはさ、映画予約しようと思ったんだけど俺たちが好きそうなのなかったんだ。ここで見たいの借りよう」



私はこういう所に普段来ない。


閉鎖的で陰湿な雰囲気が嫌いなんだ。


りっくんがいなかったら多分一生来なかったと思う。


店内をぐるぐると何周かするとなんとかおおよその配置を理解した。


りっくんはりっくんで何やら物色しているようで、私はいつの間にか1人になっていた。


我慢して映画のタイトルを探す。


私が見たいのは、あれしかない。



「あっ...」



私の視線の先にりっくんがいた。



「ちー見っけ」


「もしかしてりっくんも?」


「これしかないでしょ」



2人で同じ映画を探していたなんて。


私はくすっと笑った。



「どうした?」


「りっくんさ、絶対場所分かってたでしょう?」


「うん。だから、待ってた。絶対ちーが来るって信じてたから」



真剣な表情で言うものだから、私は恥ずかしくなって視線をそらした。



「ちーの笑顔久しぶりに見られて安心した。ってことで退散するか」



りっくんが手にした映画のDVDはあの日見た学園恋愛物だった。


5年越しに見ることになるとは思いもしなかった。


きっと思い出すんだろうな。


あの日のりっくんの得意気な顔と、嬉しそうに私に向けた笑顔を。


そんなことを思いながらりっくんが借りて戻って来るのを待っていた。


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