キミに伝えたい愛がある。
ケーキはコンビニのものだから、味的には普通だったけど、りっくんと一緒に食べられたから美味しく感じた。


りっくんにまたコーヒーを出してもらい、食後の休憩をしていると、りっくんがボソリと呟いた。



「好きだな、やっぱり」


「えっ?」



隣に座っていたりっくんが近付いて来てそっと私を抱き締めた。


感じる鼓動。


変わらない温度。


ずっと触れたかった温もり。


私の目から涙が一筋流れた。


りっくんが頭を撫でてくれる。



「ちーとあんな風に別れたから正直もう会えないと思ってた。同窓会にも来てなかったし、どうしたらいいか分からなかった」



私はゆっくりと解放され、りっくんと視線を交わす。



「でも、ちーは来てくれた。俺の側に戻って来てくれた。


俺、ちーがうちを受けて採用されたって知ってすっごく嬉しかった。


ちーにすぐ会いに行きたかった。


ちょうど海外に行っちゃってたからこの前の飲み会で再会になったけど、それでも会えた喜びは変わらなくて、今度はちーのことを離したくないと思った。


俺が好きなのはちーだけ。今も昔もちーだけだよ。ずっと...ずっとずっとちーが好きだった」


ちゃんと言おう、私の気持ち。


言うなら今だ。



「私も...ずっと...ずっと...りっくんが...好きだった。でも、りっくんとめぐちゃんがお似合いだって思ってて...邪魔したくなかった」


「ちー、本当にごめん。俺が悪かった。ちゃんとめぐを納得させてちーと付き合うべきだったんだ。そしたら、辛い時間を過ごすこと無かったのに...」



私は首を真横に振った。



「私だって悪いよ。自分の気持ちに嘘ついていろんな人を巻き込んで傷付けてきた。おあいこだよ、私たち」


「遠回りし過ぎだよな」


「ほんと。呆れるくらい恋愛に対して素直じゃなかった」



バカだった。


バカでアホでしょうもなかった。


素直になれずに、気持ちを伝えられずに、


勘違いして、他人を傷付けて、


本当に最低な生き方だと思う。


でも、笑ってしまうのは、


目の前で愛しい人が私だけを見て、


私を信じてくれて、


ここまで蛇行しながらも歩き続けてくれたお陰だって分かったから。


そして、私に笑いかけてくれるからなんだ。


私はもう迷わない。


悩まない。


信じたい、自分を。


りっくんを。


そして、幸せになりたい。


りっくんと。



< 162 / 168 >

この作品をシェア

pagetop