副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
パーティー当日。
指定された時間に、ドレスを持参して美容院を訪れていた。

「こちらへどうぞ」

促された席に座る。

「ドレスを拝見しました。少し大人っぽくて、でも仕事の場なので崩しすぎない髪型とメイクにしましょう」

おしゃれなことはよくわからないから、完全におまかせしておいた。



されるがまま、1時間ちかく経った。
派手すぎないず控えめなメイクに、固すぎないすっきりとした髪型に仕上がっていた。

「さすが、プロですね」

「佐山さんは、顔立ちが整っているので濃いメイクは必要ないですね」

「いいえ、そんなことは……」

「さあ、迎えの方がいらっしゃいましたよ」


「おお、さすが美鈴ちゃん!これまたますます美人になったね」

「し、篠原さん、持ち上げすぎです」

「いやいや、そんなことはない。今日は仕事だけど、こんな美人さんを連れて歩けるなんて、鼻が高いよ」

「篠原さんったら!」

「ははは。じゃあ、行こうか」

美容師さんにお礼を言って、お店を後にした。
篠原さんは、本当に口が上手い。
これが人たらしと言われる所以なんだろう。

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