副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
その後、篠原さんと合流して、パーティー会場へ向かった。

「美鈴ちゃん、いいじゃないか、そのドレス!!さすが、東山さんが選んだだけはある。すっごく似合ってるよ」

「ありがとうございます。私じゃ選べなくて、お任せしちゃったんです」

「それは東山さんも嬉しかっただろうなあ。好きな人のドレスを選べるなんて。
そのネックレスもいいね。もしかして、東山さんからのプレゼントだったりして」

「……」

「あっ、正解?」

「……はい」

「そっか、そっか。東山さんは、本当に美鈴ちゃんのことが好きなんだな」

「そ、そんなことはないと思いますけど……」

「何言ってんの。電話で付き合いを報告してきたのだって、半分は俺への牽制だと思うぞ」

本当に、そんなことはない。
だって、私達は本当に付き合っているわけじゃないから。

でも、付き合いを勘違いして欲しい側からすれば、否定するのもおかしい。

「そんなんですかね……?」

「そうに決まってるよ。今夜だって、こんな綺麗な美鈴ちゃんを見たら、メロメロになっちゃうよ。俺、横にいたら恨まれるかも」

「メ、メロメロって……」

「まあ、今夜は仕事だし、美鈴ちゃんにも東山さんにも、納得してもらうしかないな」

なんとなく気恥ずかしくなるものの、今夜は仕事で来ているのだと、気を引き締め直した。
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