副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
「本当のことだよ。さっきだって、杉山社長にずいぶん熱心に声をかけられてたし。指輪をしてるし、もうすぐ婚約者が来るって言ってるのにね」

「そうなの?美鈴」

啓太さんが、一瞬怒ったような顔を見せた。
いつも仕事用の笑みを浮かべている彼にしては、珍しいことだ。

「えっ、いや。でも、篠原さんが助けてくれたので」

「よかった。篠原さん、ありがとうございます」

「いいえ。上司として当然ですよ」

「美鈴、僕が守ってやれないのは悔しいけど、仕事中は仕方がない。篠原さんから、絶対に離れないで」

「は、はい」

「じゃあ、私はもう少し挨拶をしてくるので、篠原さん、美鈴のことをお願いします」

「任せてください」

「美鈴、また後で連絡する」

「はい」



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