副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
2人目の演奏が終わり、いったんロビーに出た。

「みいちゃん、どうだった?」

「すごかった!!綺麗な音だね」

「そうだね。もっと聴きたい?」

「うん!」

「じゃあ、この後もう一度入ろうか。もし出たくなったら、ママに合図してね」

「わかった」

こうして私達は、再びホールに入った。
数人の演奏が終わり、次は夕ちゃんの番だ。

夕ちゃんは、それまでの子よりも少し難しい曲を演奏していた。
ミスのない流れるような演奏に、幼かった私はただただ「すごい!」と感動していた。


夕ちゃんの演奏を聴き終えて、再びロビーに出た。

「みんな上手だったね」

「うん」

「さて、夕ちゃんの演奏も聴けたし、声をかけて帰ろうか」

「もうちょっと聴きたい」

「えっ?飽きちゃわない?」

「大丈夫」

ピアノに魅了された私は、もう少しだけ聴いていたくて、母に頼み込んだ。

「うーん……今日はパパも出張でいないし、いっか。もう少し聴いて、夕飯を食べながら帰ろう」

「うん!!」



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