副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
話をしていると、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきて、舞さんが様子を見に行った。
ケーキを食べ終わった二人は、赤ちゃんの大きな泣き声に驚いて、私と啓太さんにくっついている。



授乳を終えた舞さんが、赤ちゃんを抱っこしてリビングにもどってきた。

「篠原奈緒です。唯ちゃん、愛ちゃん、仲良くしてあげてね」

「「うん」」

二人は、恐る恐る奈緒ちゃんを覗き込んだ。

「小さいね」「ねぇ」
「かわいいね」「ねぇ」

ちゃんと小声でやりとりしている二人は、奈緒ちゃんを横にすると、すっかりお姉さんだ。

「美鈴ちゃん、抱っこしてあげて」

舞さんから奈緒ちゃんを受け取った。

「懐かしいなあ、この大きさ。ねえ、啓太さん」

「ああ。かわいいなあ」

啓太さんも抱っこして、最後は篠原さんの腕に収まった。
篠原さんは、すっかり目元が緩んでいて、優しいパパの顔になっていた。

「美鈴ちゃんも、もうすぐだったわよね?」

「もう七ヶ月なんです。早いですよねぇ」

「性別はもうわかってるの?」

「はい。男の子のようです」

「唯ちゃんと愛ちゃんが、赤ちゃんの取り合いをしそうね」

そう言って、舞さんがくすくす笑った。

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