副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
「さあ、ドレスを決めましょうか。3着ほど用意するんでしたね」

「あっ、はい」

「選べますか?」

「あっ、いや……どれも着やすくて……」

「それでは、私がお選びしても?」

「……お願いします」

東山さんの申し出に安堵して、ドレス選びをお任せすることにした。
さっき撮った写真をパソコンで確認しているようだ。

「佐山さん、見てください。最初に着たボルドーのドレスですが、デコルテをとても綺麗に見せてくれます。これが一番よく似合っていますよ。あとは……」

写真を見比べながらドレスを選び、これが良いと思う理由を改めて添えてくれる。

「この3着ですね。それから、小物類もこちらの判断で用意しました」

「えっ?そこまでは……」

「篠原さんの依頼でもあって、話も付いているので大丈夫ですよ。支払いも、篠原さんを通して会社の方に請求することになっています」

「すみません。私、そこまで聞いてなかったです」

「ああ。私が個人的に彼とやりとりしたので」

どうやら、二人はかなり親しくなりつつあるのかもしれない。

「あと、ドレスや小物類は、佐山さんのご自宅に送ることにしましょう」

「はい。ありがとうございます」
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