副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
「でも、どうして私のことを覚えていたんですか?あの頃、同じ発表会に出ていたっていうだけで、接点はなかったと思うのですが」
「逆に、なぜあなたは私の名前を覚えていたのですか?」
質問に質問で返されてしまい、言葉に詰まる。
「それは……ピアノを弾く男の人が珍しくて。確か、男の子は二人ぐらいしかいませんでしたから。しかも、難しい曲をすらすら弾いていて、圧倒されて印象に残っていたんです」
「そんなふうに覚えてもらっていたなんて、光栄です」
「なぜこのドレスを?」
「発表会で、初めて佐山さんを見た時、黄色のドレスにひまわりの飾りが、とてもかわいらしくて。
おまけに、発表を終えてホッとしたのか、ロビーでお母様にお菓子をねだったり、写真撮影で足を開いて座っていたり。やることなすこと全てが子どもらしくて、見ていてすごく癒されたのを覚えています。あの頃を思い出して、このドレスを用意しました」
何か落ち着かなくなるような、意味深な視線を向けられて戸惑った。
でも、やっぱりそれは一瞬のことで、すぐにまた、あの貼り付けたような笑みを向けられていた。
「逆に、なぜあなたは私の名前を覚えていたのですか?」
質問に質問で返されてしまい、言葉に詰まる。
「それは……ピアノを弾く男の人が珍しくて。確か、男の子は二人ぐらいしかいませんでしたから。しかも、難しい曲をすらすら弾いていて、圧倒されて印象に残っていたんです」
「そんなふうに覚えてもらっていたなんて、光栄です」
「なぜこのドレスを?」
「発表会で、初めて佐山さんを見た時、黄色のドレスにひまわりの飾りが、とてもかわいらしくて。
おまけに、発表を終えてホッとしたのか、ロビーでお母様にお菓子をねだったり、写真撮影で足を開いて座っていたり。やることなすこと全てが子どもらしくて、見ていてすごく癒されたのを覚えています。あの頃を思い出して、このドレスを用意しました」
何か落ち着かなくなるような、意味深な視線を向けられて戸惑った。
でも、やっぱりそれは一瞬のことで、すぐにまた、あの貼り付けたような笑みを向けられていた。