白い便箋を太陽に翳してみれば・・
手紙の最後には、いつ撮ったのか分からない俺とカズキの満面の笑みで写っている二人の写真が添えられていた。

そして、俺はあらかじめ持ってきていたペンと紙に、カズキに手紙を書いていく・・。

「カズキ今までありがとな。そして、ごめん。お前には散々、助けられっぱなしだった。俺よりカズキの方が年上みてーだな。いつも勝手な俺と付き合ってくれてさ。すっげー嬉しかった。俺さ・・分け合ってここを離れることにしたんだ。お前に何も言わず勝手にいなくなる俺を許してくれ。俺、お前が親友でよかったよ。今でもカズキは俺にとって自慢の親友だから。それと、約束破っちまってごめんな・・。一緒に掘り返そうって約束したのにな・・。お前の手紙、ちゃんと読んだからな!マジでありがとな。それと・・あーいや、なんでもねぇ。お前に出逢えてよかったよ。カズキ、今まで本当にありがとう」

俺は、それを折りたたんで「ある物」と一緒に埋めていく。
そのある物とは、カセット。
そこには、俺が好きな曲が入っている。

いつか俺に大切な人が出来た時に、聴かせてあげたかった曲。
俺は、この曲を花恵に贈りたかったんだ。
そして、この曲には俺の想いが詰まっている。

だけど、あえて手紙にはこのカセットを花恵に渡してほしいとは書かなかった。
まぁ、最後の方は途中から、にごしまくりだったけどな・・。
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