白い便箋を太陽に翳してみれば・・
そして、手紙とカセットを埋めた俺は、公園を後にした。

それからアパートに着いた俺は、大家さんに挨拶をしてから地元を離れた。


新幹線で何時間か乗って着いた場所・・。
そこは、母さんが今まで住んでいた東京だった。
借金も返さないといけなかった俺は、東京を選んだ。

東京の生活は、相変わらず一人暮らしで地元となんら変わりなかったけど、いつだって想い出してしまうのは花恵のことばかりだった。

俺は、クリスマスに花恵にあげた指輪をどうしても手放すことが出来なかった。
とういか、これだけは失いたくなかった。
相変わらず、俺はその指輪を右手の薬指に付けていたんだ。

「お、北澤。指輪なんか付けて彼女でもいるのか？」
「あーー彼女はいないっす。でもこれ・・俺にとってすげー大事なもんなんすよ」
「そうなのか？まぁ俺には分からねぇーけどよ、頑張れよ！」

そう言って俺の背中に喝を入れたのは、仕事仲間の古川さん。
俺は、東京に来てから工事現場で働くようになった。
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