白い便箋を太陽に翳してみれば・・

花恵に会った日は、とにかく何もかも頭の中に入んなくて、仕事の同僚や古川さんに散々心配をかけてしまった。

仕事終わりに俺は、ある人に電話をかけていた。
無意識に体が動いていた・・。
ほんとに俺って、勝手な人間だよな・・。

「はい、もしもし」
「・・・」

それは、カズキだった。
電話に出たカズキの声を聞いて、やってしまったと思った。
つーか、バカだよな・・。
俺から離れたっていうのに、自分からまた連絡してくるなんてな・・。

「もしかして・・流星か・・？」

黙っている俺に、カズキはそう言った。
「あぁ・・」
少しの沈黙の後だった。