白い便箋を太陽に翳してみれば・・

昔から決めたことには絶対曲げないカズキに、俺は苦笑しながらもカズキと東京で会うことになった。
そして、カズキがもうすぐで父親になることを知った。
3年間が空いていただけで、こんなに変わるもんなんだな・・。

「そうか。すげぇーな。お前ならいいお父さんになりそうだな」
「やっぱお前もそう思うか?」

そんな他愛もない話が、久しぶりすぎてなんだか嬉しかった。


それからカズキは、本当に東京に来て昔と何も変わらないカズキがいた。
東京に来るのが初めてだったカズキに、俺は東京を案内したりした。

そこで俺は、カズキに全てを打ち明けたんだ。
俺には、花恵を幸せには出来ない・・。
だから、俺じゃない誰かと幸せになってほしい・・。

カズキにそう言った俺の言葉は、ただの強がりにしかすぎなくて。
「でも、そんなんじゃお前・・一生後悔すんぞ」
そんなカズキの言葉に、俺はさらに強がりを重ねた。
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