白い便箋を太陽に翳してみれば・・
久しぶりすぎて緊張しているのが自分でも分かる。

「流星、久しぶりだね!」

泣き腫らした目で花恵は、俺に昔と何も変わらない笑顔でそう言ったんだ。
そんな花恵を見て、俺は胸が苦しくなった。

「今までごめん・・」
「ううん、謝らないで。流星が元気そうで安心した」

気づけば花恵の目から涙が溢れていた。

「ちょっと向こうで話さないか?」
俺達は、近くのベンチに座った。
「元気だったか?」
「うん、元気だったよ・・」
「そっか・・」

久しぶりに話したせいか、思うように会話が続かなかった。

「そういえばさ、花恵が東京にいるってことは何か夢でも見つけたのか?」
「ううん。なーんにも。今はアパレル定員になって働いてる。流星は?」
「・・俺は東京来てからずっと工事現場で働いてる・・」
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