白い便箋を太陽に翳してみれば・・
やっぱり花恵は、あの頃よりすげー強くなったよ・・。

「やっぱり残しておいて正解だったよ」
「ありがとな。大事にしてくれて」

そんな花恵を俺は抱きしめた。
もう絶対離したりなんかしねぇーから・・。
一人になんかさせねぇーから・・。

「花恵・・愛してる」
「うん・・あたしも愛してるよ」

ふいに、花恵の目から一滴の雫が頬を伝った。

「花恵は泣き虫だな・・」

俺は、その涙を優しく拭った。

そして、俺達はひとつになったんだ。
大切な人と一緒に居られるだけで、こんなにも幸せな気持ちになれるんだな。

温かくて、

優しくて・・。
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