夜空に君という名のスピカを探して。
「おっ、加賀見の弁当うまそう」
「そ、そうか? 母さんの……手作りなんだ」
ぎこちなくはあるけれど、加賀見くんも溶け込めている。
今日はいい仕事したなと三人の会話を見守っていると、佐久間くんがズズッとカフェラテを啜って「そういえば」と話し出す。
「駅前に『カラオケにゃんにゃん』が出来たの知ってる?」
佐久間くんが言った『カラオケにゃんにゃん』とは、フリータイムでも千円以下と安く学生に人気のカラオケ店だ。
私も学校帰りに彩と由美子と一緒に、電車に乗って行ったことがある。
しかし彼は実りのない会話に耳を傾けるくらいなら、家に帰ってテレビのニュースを見ていたほうが価値があり、恋に勤しむくらいなら勉強していたほうが有意義という思考の持ち主だ。
当然、カラオケ店の名前なんて知らないだろう。
「にゃんにゃん? 法律に引っかかる店じゃないだろうな」
思った通り加賀見くんは顔を引き攣らせて、不信感を隠しもせずに佐久間くんに聞き返す。
バカ真面目に心配している彼に、いよいよ耐え切れなくなった様子で風間くんはプッと吹き出した。
「そ、そうか? 母さんの……手作りなんだ」
ぎこちなくはあるけれど、加賀見くんも溶け込めている。
今日はいい仕事したなと三人の会話を見守っていると、佐久間くんがズズッとカフェラテを啜って「そういえば」と話し出す。
「駅前に『カラオケにゃんにゃん』が出来たの知ってる?」
佐久間くんが言った『カラオケにゃんにゃん』とは、フリータイムでも千円以下と安く学生に人気のカラオケ店だ。
私も学校帰りに彩と由美子と一緒に、電車に乗って行ったことがある。
しかし彼は実りのない会話に耳を傾けるくらいなら、家に帰ってテレビのニュースを見ていたほうが価値があり、恋に勤しむくらいなら勉強していたほうが有意義という思考の持ち主だ。
当然、カラオケ店の名前なんて知らないだろう。
「にゃんにゃん? 法律に引っかかる店じゃないだろうな」
思った通り加賀見くんは顔を引き攣らせて、不信感を隠しもせずに佐久間くんに聞き返す。
バカ真面目に心配している彼に、いよいよ耐え切れなくなった様子で風間くんはプッと吹き出した。