青い光
辺りがだんだん暗くなりはじめ、合コンも終了の空気が流れ解散することになった。

「よーし、じゃあ帰り送ってく人決めするよー」

翔馬くんはそう言うと、なっちゃんと颯斗くん、ほなみと輝くんをくっつけて先に帰らせた。

あの二人コンビは、上手くいっていたようでラブラブな雰囲気を醸し出していた。

「んー、じゃあ日菜ちゃんは、俺が貰っていい?」

翔馬くんがそう言った瞬間、

「帰るぞ。」

「えっ?!」

和真くんに手を引かれ、走って店から出る。
店に残された理沙と翔馬くんは、唖然として立ち尽くしていた。

「ちょ、ちょっと待って!!」

駅まで来て、私は息を切らしながら言う。

和真くんは、ハッとして

「わりぃ。大丈夫か?」

と謝ってきた。

「え、えっと…大丈夫なんだけど、私家こっち…。」

私はそう言って進行方向とは逆の方向を指さす。

「それは、すまなかった。走らせてごめんな。」

「なんで、こんなことしたの?」

「………なんとなく。」

それから走ってきた道を引き返した。

ちょっと気まずくて、話題を持ちかけようと思い夢の話をしようとした。

「あのね…私…信じてくれないかもしれないけど…夢であなたが出てきたことがあるの…」

「え…?」

和真くんは、驚いて立ち止まる。

「でも、話したことは無いの。話しかけられて目が覚めるの。そのせいで今日寝坊しちゃって…あはは…」

何か言いかけて、

「俺のせいかよ。」

とだけ言うと、また歩きだした。

少し前を歩く和真くんの背中は大きくて、風に吹かれる綺麗な黒髪はやっぱりかっこよかった。

夢で見た通りだ。

「実はさ、俺…」

「あ、ここだよ!家!」

和真くんは何か言いかけたようだが、私が遮ってしまったようだ。

「あ、ごめん!どうしたの?」

「…いや、なんでもない。それより、もし良ければLINE交換してくれない?」

「そっか…、うんいいよー!」

スマホを振って連絡先を交換する。

「ん、ありがとう。」

「どういたしまして!私の方こそ送ってくれてありがとう!」

「ああ、待たな!」

そう言うと、和真くんは反対方向にまた歩き出した。

夜は、朝の暑さとは一変して冷かった。
< 6 / 8 >

この作品をシェア

pagetop