悔しいけど好き
「にしても、いい眺め。お前意外と胸あるな?」

「はあっ!?」

慌てて胸を押さえ見てみるとブラウスのボタンが3つも外れてて胸の谷間がバッチリ見えてた。

「っぎゃあ!この変態!スケベ!何見てんのよ!はっ!まさか…」

自分の全身を見れば昨日着ていたブラウスにタイトスカート、ストッキングも履いていてはだけてたのはブラウスだけだった。
何もされてないとわかってひと安心。

「ひでー言いようだな?そのままじゃ苦しいだろうから馴れない右手で外してやったのに」

「3つも外すことないでしょ!?一つで十分よ!」

「怒るとこそこ?」

ニヤニヤ笑う神城に顔が熱くなるほど羞恥心と怒りが込み上げる。
とにかくボタンを元に戻し神城を睨むけど気にした様子もなく不敵に笑うこいつが私は昔から嫌いだ。
同期で入社当初からウマが合わないのに、こいつは何かにつけて私にちょっかいかけてきて喧嘩ばかりだった。
なのにこいつ相手に醜態さらして挙げ句に抱きついてたなんてなんたる不覚!

とは言え…神城は左利きだ。
がっちり私が左腕に絡まってたから右手しか動かせなかったのだろう。
利き手を塞いで容易には動けなかったのはそれはそれでボタンだけで止まって良かった。
左手が空いてたら何されてたか分かったものじゃない。
まあ…神城が私に何かするなんてあり得ないけどね。
神城は私を女と見ていないから。
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