婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
「綺麗な夕焼け…」
「うひひ。最高だろ?ここなら絶対いいもん見れるって思ったんだ」
「ひょっとして、見たことないもの見せるって…これのこと?」
「イェース!大自然の中のキャンプだからこそ、感じる景色!最高ーっ!」
豹牙は、これを見せたくて私をここに連れてきたのか…。
日の入りが更に進んだのか。
夕陽は角度を変えると、色味を変える。
宵闇の碧が差し込んでくるようで、また違う趣きが出て来た。
「わあぁ…すごくきれい」
「フッフー!…だろ?だろ?ここ、スーパースペシャルロケーションだと思ったんだ。あんな消しゴムコスコスパーリーに出るよか全然マシだろ?」
「けしご…だから、何それ」
「まあ聞き流しとけ?このどアホ!…さあ、レーッツキャンプ!」
「わんっ!わんわんっ!」
何を勢いづいてんだか。
豹牙の声に反応して、ぽめが足元でぐるぐる回りながら声をあげる。
その、あまりの壮大さに。
感動が込み上げてきて、胸が打ち震えて身体に染み渡る。
…ホント、いいものを見せて貰った。