婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
そんなワクワクを胸に抱えながら、豹牙の焼いてくれたばーべきゅー料理を口に運ぶ。
長い金属の串に、鶏肉や豚肉やぶつ切りしたネギ、玉葱を交互に挟んで焼いて、塩コショウをかけたという簡単簡素な料理だけど。
何故だか、たまらなく美味しかった。
それに加えて豹牙はお味噌汁も作ってくれる。
…え?味噌汁?
お味噌汁は、お兄様がどこからか作り方を学んできて、普及させ…夜叉王領でしか食べられないはずなのに!
って、これも人間界の…。
と、豹牙に尋ねるとその通りで、「人間界にもいろんな部族がいて、その部族のひとつの鉄板料理だ」と言っていた。
ホント、お兄様ってば何から何まで…。
お兄様も豹牙と同じく人間界大好きなんだろう。
お兄様からも人間界のお話し聞きたいな。…って、善見城に置いてきちゃったけど。
「しかし夜叉王って、案外やり手だよな。お見それ致しました。人間界のものをうまーく天界に取り入れて王領を発展させちまった。人間界大好きな俺としては住み心地がいいったらありゃしない」
「そう?」
大好きなお兄様を褒めて貰えると嬉しくなる。
竜王領では、批判の嵐だったから…。