婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
そうとなれば、ほんの少しばかりか刃向かう気にもなれる。
裏のありそうな笑みを浮かべた朱嘉様を、顔を上げてじっと見た。
朱嘉様も私の視線に気付いたのか、目を細める。
「あら、羅沙様。お茶会一緒に行きますか?そしたらまずその地味で汚いお召し物をお替え下さいませ?」
「…社交の場であるお茶会は大切だと思いますが、朱嘉様。問題はその内容にあると思いますが」
「え?…何が言いたいんですの?」
私の滅多にしない反論に、朱嘉様の眉毛がピクッと上がる。
「実のある話でしたらともかく、その場にいない人の陰口ですとか噂話ばかりでしたら、聞かされる方も疲れてしまいます」
「は?…私がそんな話しかしないとでも?」
「それに、そんな頻繁にお茶ばかりガブガブ飲んでいたら美しいお顔が浮腫んでしまいますよ」
「な、何ですって!」
「…失礼します」
言いたいだけ言って、速やかに立ち去る。
すれ違いざまに、朱嘉様の怒りが滲んだ表情にヒヤリとしてしまったが。