婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
ようやく一矢報いた…!
すでに遠ざかっていたが、背中の方向から朱嘉様の張り上げた声が聞こえてくる。
「まあ、なんてお口が悪いのかしら!…竜王様に報告させて頂きますからね?!…夜もろくに相手にされてないくせに!」
…お口が悪い?
自分、いつもそれ以上のこと、私に言ってるじゃない。
こっちが何も言わないのをいいことに!
それに、夜もろくに相手にされてない…って。
…いやいや、私は側妃とは違って正式婚姻ですから、婚姻の儀が終わらないと夜を共にしてはいけないのはご存知ですか。
でも、グサッときたのは言うまでもない。
そこが、正式な儀がなく、夜の目通り自由な側妃である朱嘉様の強みといえば強みで。
私の心は、ボロボロになる。
…朱嘉様は、前に私にこう言った。
『正妃は王と連れ立って表に出る機会も多いですから、相応の身分が求められますわ?あなたは【不貞の子】だろうが、腐っても八部衆の王族令嬢。…一方、側室に求められるのは癒し、愛情でしょうか?』
…ようするに、私は八部衆王族の娘なので、身分的には問題ないから正妃に選ばれた。
【不貞の子】だけど。