婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
「そ。努力だよ。自分も、自分の一族も悪く言われないように、やるべきことはちゃんとやったのか?」
「や、やったよ。勉強もマナー教育も、与えられたものは…」
「最低限の教育だけやっても、それは当たり前なんだぞ?…例えば、正妃に相応しい振る舞いとか、心掛けてたか?」
「そ、それは…」
「まあーおまえのことだからな?騎士団の訓練場や厨房に忍び込んだり、お転婆なことやってたんだろー?」
「なっ、何でわかるの!」
「だって羅沙だもな。…しかしよ?果たしてそれは、正妃らしい振る舞いと言えようか?」
「うっ…」
淡々と正論を述べる豹牙に、私はまたしても言い返す言葉が無くなってきて、次第に口をつぐんでしまう。
本人は意地悪で言っているわけじゃない。言いたい事、思う事を素直に喋っているだけなので、悪気はない。その証拠に表情も変わらずケロッとしている。
だから、余計に何も言えない…。
「やることしかやってねえのなら、それだけの評価しか貰えねえ。その上、正妃らしい振る舞いが足りないのなら、そりゃ白龍にもくどくど言われるわな?…あれは多少性格も悪いけど」