婚約解消してきちゃいました？ヘタレ令嬢様のチートキャンプ！

でも、空気は読まず遠慮がない豹牙は、手を緩めることはなく、自由に言いたい放題だ。



「羅沙、おまえが何でもヘタレに逃げる話はオモローだぜ？…でもな、何にでもあれも嫌これも嫌、だから逃げるってのは、我慢に弱いタダのワガママ娘だ」



ワガママ…。



《このあほ。ワガママ娘》



…先日、お兄様に言われたことそのままだ。

でも、それには理由がある。そう思ってカッとして反論してしまう。



「だ、だって！家族の悪口言われて黙ってられるの？！だってだって、会うなり常にあーでもないこーでもない、不貞の子とか、お茶会出なさい、着てるものが地味で汚いとか私のことから、夜叉王領は田舎とか、お兄様は私に十分な教育すら与えてないとか…そんなの我慢出来るの？！」

「さっきも言ったけど、他所者正妃だからな？言われてナンボなんだよ。堪えるしかないだろ。平気で心無いことを言う低能な奴らと同じ土俵に上がるな。言わせておけやそんなもん」

「堪えたよ、十分！でもいい加減許せないでしょ？！」

「…じゃあ、逆に聞くけど。そう言われないように、おまえ。何か努力でもしたのか？」

「ど、努力？！」