婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!


少しの浅い眠りの後、私は再びパチッと目が覚める。

先程の中途覚醒時よりも、テント内が明るくなっているのに気付き、ムクッと体を起こすと、体に掛け物がかかっていることに気付いた。あのふりーすと同じ素材の掛け物だ。



ひょっとして、朝になった?

テント内を見回すと、どうやら私一人…。



…ではなかった。



傍にはちょこんとお利口に座って、その黒目がちのつぶらな瞳で私を見ているぽめがいた。

ハッハッと息を荒くして、尻尾をパタパタ振っている。



「ぽめ、おはよう」



挨拶すると、私の膝にぴょんと乗ってくる。

息づかいそのまま、また私の顔をジッと見続けて「わんっ!」と吠えた。

おはようって言ってるみたい。可愛い…!

可愛さのあまり、ギュウッと抱きしめてしまう。もふもふが気持ちいい…。

けど、ぽめは嫌がらずにむしろ私の頬に手を合てて、瞼をペロペロ舐めてきた。

「わっ、ぽめ、くすぐったい」

ひょっとして、泣いていた私を慰めてくれてるのかな、と思うとキュンとしてしまい、改めてキュッと抱きしめた。もふもふ気持ちいい…。
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