婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
「で、でも…」
「それに…今パッと見たところ、羅沙の身体にはちゃんと神力の流れが携わっているような気がする」
「えぇっ!」
私の身体に、神力が?!
ということは、私、本当は神力使えるの?!
それは、今まで知らなかった、驚くべき事実だ。
何故、今の今まで気付かなかったんだろう。
「夜叉王らが気付かないわけないと思うんだけどな…ま、試しにやってみようぜ。おまえは本当に神力のカスも出せないのか」
「うん!やる!やる!」
そういうことで。
豹牙の指導の下、かつて諦めた神術の基礎である『神力を掌中に込めて形にする』という作業に挑むことになった。
「神力ってのは、血液の流れのように俺たちの体内を隅から隅まで時計回りで巡っている。その体内の流れを少しばかり早く回転させ、掌の真ん中から出すイメージ」
「え、そうなの?」
「…そう習ってないのか?」
「そういう理論っぽいものは…」
「おまえの兄貴らしいな。…まあ、俺様も?一応優秀な神術騎士ですから?こういう理屈の説明ぐらい出来ますよ。羅沙の大大ダイスキな竜王様程ではありませんが?」