婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
…しかし、私と豹牙がそう思っていても。
傍から見た印象は如何程か。
周りには理解し難いそんな私達の関係と甘い考えが。
この後、ちょっとした揉め事のきっかけのひとつになってしまうのだった。
そして、夜が明ける。
日の出で周りが明るくなるに連れて自然と目を覚ましていた。
この中がぬくぬくして気持ち良くて、起き上がらずしばらく寝袋の中でもぞもぞとする。
だが、ふと寝返りした時、そこで寝ていたはずの豹牙の姿がないことに気付く。寝袋もない。
ぽめの寝台がぽつんと置いてあるだけだった。ぽめもいない。
あれ。どこ行ったんだろう。
朝早いと言ってたし、何かしているんだろうか。
考えているうちに完全に目が覚めてしまった。これはもう起きるしかない。
ムクッと起きて、袋の中から脱出する。
テントから出たその向こうは、すでに夜明けを迎えており、太陽はすでに山際から完全に顔を出しているようだった。
テントの前には火が消えた直後の焚き火台と、飲みかけのコーヒーが置いてある。