婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

…すでに起きて一人で朝のコーヒーを飲んでいたなんて。私も飲みたかったのに、なんてムッとしてしまう。



でも、朝陽が水面に反射して、昨日の朝とはまた違う朝だ。冷んやりとした空気もおいしい。

一面広い湖という開放感のある景色を前に、体を伸ばして思いっきり息を吸った。



(…ん?)



そこで、傍らの方から微かに気配と声に気付く。

こんな朝早くに誰か来た?



…ではない。



私の真ん前の視界には入らなかった、ここからもう少し右寄りの方。

男の声と、水の跳ねる音。

たまに聞こえる「わん!」という可愛い鳴き声。



(…え)



砂浜には服が脱ぎ散らかされており、湖の中に彼らはいた。

彼らとはもちろん、私の旅の付き添い達。



(え…ええぇぇっ!)



だが、私はその光景を見て、驚愕せざるを得ない。

…いや、驚くでしょう!これは!



「ぽめ、もういいのか?気持ちいいぞー」

「わんわん!」



そこには豹牙とぽめがいる。

しかし、豹牙の体は湖の中で…裸!

筋肉のついた上半身だけが水面上に見えている状態だ。



え…裸?!
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