婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
私が突然座り出したものだから、真ん前の竜王様は「えっ?!」と声をあげてギョッとしているようだ。
「ら、羅沙?どうしたんだ?」
「私の犯した罪は、決して許されることではありません…」
「罪っ?!ま、待って!」
手のひらを地に付けて竜王様の顔を見上げたが、竜王様も竜王様で慌てて腰を落としており、目線の高さが一緒になってしまった。
「一族同士の縁談、未来の正妃という立場でありながら、貴方に会えないだの、側室は嫌だの、陰口は嫌だの…挙句の果てには、我慢が足りずに嫁ぎ先から脱走するだの…思い返せば、自らの愚行に自分でも呆れ返る始末でございます…」
「羅沙!それはもういい!…いいんだ!」
「よくありません!…私の愚行は、両一族の顔に泥を塗ったようなものでございます。…いえ、こんな私は元々正妃の器ではなかったのです…就きましては、この縁談、無かったことにして下さいませ…」
「ま、待って…やめてくれ…」
「お許しください…全ては政略結婚が何たるかを理解せずに、貴方への恋心を持ち続け、ばかであほでワガママな私の犯した愚行のせいでございます…」